ロバスト設計
1. 機能品質
(1) 品質設計
@ 一次設計:システム設計
内乱・外乱の影響をなくすような制御システムを組み入れる。
A 二次設計:パラメータ設計
制御因子の水準選択により、内乱・外乱の影響を減衰させる。
B 三次設計:許容差設計
内乱・外乱の原因そのものの範囲を限定的に抑える。
(2) ノイズ
@ 外乱:外部環境条件の変化
A 内乱:機能の摩耗劣化・個体間のばらつき
ノイズは誤差因子である。
2. パラメータ設計
(1) ロバストネス
ノイズに対する強さを意味する。
パラメータ設計すなわちロバスト設計では、外乱・内乱が存在しても、出力が安定する設計を行う。
(2) 二段階設計
@ 第一段階の最適化
誤差因子に対する、出力変動を小さくする。
A 第二段階の最適化
調整因子によって、出力平均を目標に設定する。
(3) 概念
自己の変動によって、出力変動を変える、非線形パラメータで、ロバストネスを改善する。
自己の変動によって、出力変動を変えない、線形パラメータで、平均値を目標値に合わせる。
(4) オメガ法
実験計画法において、単純な算術的加法性が成り立たない構成要素の変動について、SN比を適用する。
望目特性のSN比は、
(5) 特性
望目特性:一定の目標値がある特性(静特性)⇔動特性
望小特性:小さいほど良い特性
望大特性:大きいほど良い特性
3. 望目特性のパラメータ設計手順
(1) 混合直交表に割り付け、実験を行う。
制御因子の水準を内側直交表に割り付け、誤差因子の水準を外側直交表に割り付ける。
内側直交表に割り付けた各bイとに、外側直交表に割り付けた実験を行う。
(2) 各bイとのSN比を計算する。
外側aF
内側aF
各内側cネにおいて、外側bフ実験結果をSN比としてまとめる。
(3) 各水準ごとのSN比を計算する(直交表に従って、SN比の平均をとる)。要因効果図にまとめる。
A1水準のSN比、A2水準のSN比、…
(4) 各水準ごとの平均値を計算する。要因効果図にまとめる。
A1水準の平均、A2水準の平均、…
(5) 第一段階の最適化
出力変動に影響があるパラメータについて、出力変動を抑える水準に設定する。
SN比の要因効果図において、水準に対する変化が大きい制御因子に注目する。
その水準の中で、最もSN比が高いものを選択する。
↓
誤差因子による出力変動が小さくなる。
↓
ひとまず、仮の出力平均が決まる。
(6) 第二段階の最適化
出力平均に影響があるパラメータについて、目標値に合った水準に設定する。
平均値の要因効果図において、水準に対する変化が大きい制御因子(=調整因子)に注目する。
その水準の中で、目標値に近くなるものを選択する。
最終的には、そのほかの制御因子も使って、微調整する。
(7) 再現性を確認する。
先の実験で得られた最適条件と、参照条件(従来条件など)において、試作し、そのSN比と平均値を測定する。
両者のSN比の差と平均値の差が、先の実験で得られた推定値通りならば、再現性がある。
このとき、先の実験のSN比の差と、再現実験のSN比の差が、±3dB以内ならば、SN比の差が推定値通りであると判断する。