直交配列表

 

1. 直交配列表とは

(1)  定義

「因子のすべてのペアに対して、因子の水準について考えられる処理組み合わせが同数回洗われるような処理組み合わせの集合(JISより)」

 

(2)  目的

ž  予め合理的に実験を割りつけて、経済的に精度良く結果が解析できるようにすること。

ž  要因の洗い出しと、実験回数を少なくして効率的な最適実験条件の検討を行うこと。

 

(3)  組合せ法との比較

組合せ法では、調査対象以外の因子条件を固定するので、因子条件が変わった場合には、効果が成立する保証はない。

直交表では、因子条件が変わっても一貫した効果を持つもののみが、発見できる。

 

 

(4)  種類

@ 2水準系 

2水準で7要因を割りつける(七元配置)

 

A

B

C

D

E

F

G

1

1

1

1

1

1

1

1

2

1

1

1

2

2

2

2

3

1

2

2

1

1

2

2

4

1

2

2

2

2

1

1

5

2

1

2

1

2

1

2

6

2

1

2

2

1

2

1

7

2

2

1

1

2

2

1

8

2

2

1

2

1

1

2

 

 

A 3水準系 

3水準で4要因を割りつける(四元配置)

A

B

C

D

1

1

1

1

1

2

1

2

2

2

3

1

3

3

3

4

2

1

2

3

5

2

2

3

1

6

2

3

1

2

7

3

1

3

2

8

3

2

1

3

9

3

3

2

1

 

 

(5)  多水準作成法

例:からを作る。

 

A

B

C

D

E

F

G

1

1

1

1

1

1

1

1

2

1

1

1

2

2

2

2

3

1

2

2

1

1

2

2

4

1

2

2

2

2

1

1

5

2

1

2

1

2

1

2

6

2

1

2

2

1

2

1

7

2

2

1

1

2

2

1

8

2

2

1

2

1

1

2

 

 

A'

D

E

F

G

1

1

1

1

1

1

2

1

2

2

2

2

3

2

1

1

2

2

4

2

2

2

1

1

5

3

1

2

1

2

6

3

2

1

2

1

7

4

1

2

2

1

8

4

2

1

1

2

 

 

2. 直交配列表の活用

(1)  線点図による割り付け

例えば、を使った3元配置では、次のようになる。

実際は、2水準の3元配置なら238で実験回数は同じなので、直行表を使う意味はない。

 

 

5元配置で、交互作用のうち一つのみを想定した場合は、次のようになる。

2水準の5元配置なら2564なので、直行表を使えば大幅に実験回数を少なくできる。

 

この場合の変動及びデータ構造は、次式で表される。

 

1

2

3

4

5

6

7

1

1

1

1

1

1

1

1

2

1

1

1

2

2

2

2

3

1

2

2

1

1

2

2

4

1

2

2

2

2

1

1

5

2

1

2

1

2

1

2

6

2

1

2

2

1

2

1

7

2

2

1

1

2

2

1

8

2

2

1

2

1

1

2

 

A

B

A×B

C

D

E

ε

 

 

なお、ここで割り付けられなかった列は、全て誤差εになる。

 

 

(2)  実験を行い、データをまとめる。

 

1

2

3

 

4

 

5

 

6

 

7

 

8

 

 

水準の数:

実験番号:

データ数は

総データ数は

 

(3)  繰り返しのある実験の場合、ブロックごとの変動に関して等分散検定を行う。

 

(4)  群変動に関するF検定を行うために、仮説を立てる。

帰無仮説H0 要因が特性に影響を与えているといえない。

対立仮説H1 要因が特性に影響を与えているといえる。

 

(5)  変動を求める。

@ 修正項

 

A 総変動(データ全体の変動)

 

B Aの群間変動(Aの水準間の変動)

 

交互作用の変動・誤差変動も、直行表より群間変動と同様にして求める。

そのほか、乱塊法によるブロック間の変動も考慮にいれる必要がある。

 

 

A

B

A×B

C

D

E

ε

水準

A1

A2

B1

B2

A×B

1

A×B

2

C1

C2

D1

D2

E1

E2

ε1

ε2

平均

 

 

 

 

 

 

合計

 

 

 

 

 

 

 

(6)  自由度を求める。

(7)  分散を求める。

(8)  分散の期待値を求める。

(9)  寄与率を求める。

(10)  分散分析表を作る。

(11)  F検定を行う。

 

これらは、要因配置実験と同じである。

 

(12)  最適条件の点推定

交互作用は有意でないとする。

 

(13)  最適条件の区間推定(信頼度95%

 

  有効繰り返し数

 

 

3. 分割法(直交配列表を用いた分割実験)

(1) 目的

実験条件の切り替えを減らし、負担を軽くする。

 

(2) 手法

切り替えが最も困難な1次因子を、1群に割り当てる。

次に困難な2次因子を、2群に割り当てる。

切り替えるのに手間のかからない3次因子を、3群に割り当てる。

 

1

2

3

4

5

6

7

1

1

1

1

1

1

1

1

2

1

1

1

2

2

2

2

3

1

2

2

1

1

2

2

4

1

2

2

2

2

1

1

5

2

1

2

1

2

1

2

6

2

1

2

2

1

2

1

7

2

2

1

1

2

2

1

8

2

2

1

2

1

1

2

1

2

3

 

 

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