確率変数の特性
1. 確率分布
確率:P、確率変数:Xとする。
(1) 離散型分布
Xがとびとびの値をとる。(2項分布、ポアソン分布等)
@ 確率関数
Xが特定の値をとる確率。この時、を含んだ微小区間εにXが入っている。
A 分布関数
までの確率の累積を表すので、
B 平均値(期待値)
C 分散
(2) 離散型分布
Xが実数全体の値をとり得る。(正規分布、χ2分布、指数分布、ワイブル分布等)
@ 確率密度関数
Xが特定の値をとる確率。
A 分布関数
離散型分布同様、
B 平均値(期待値)
C 分散
2. 特性値の基本的性質
(1) 平均値(期待値)
(2) 分散
3. 主な分布の特性
|
確率関数・確率密度関数 |
平均 |
分散 |
二項分布 B(n;p) |
|
np |
np(1-p) |
ポアソン分布 Po(λ) |
|
λ |
λ |
正規分布 N(μ,σ2) |
|
μ |
σ2 |
(1) 二項分布
ベルヌーイ試行による、計数値の離散型分布を表す。
@ 事例
・ 当たる確率pのくじでn本引いた時にk本当たる確率の分布
・ 大量生産におけるサンプル中の不適合品個数(不適合品率p)の分布
A 正規分布近似(直接近似)
・ 不適合品率の分布
・ 不適合数の分布
ほかにロジット変換による近似がある。
(2) ポアソン分布
計数値の離散型分布で、稀にしか起こらないような現象の回数の分布を表す。
@ 事例
・ 一定時間内に崩壊する放射性物質の原子の数の分布
・ 安定した工程で作られる製品の欠点数の分布
A 正規分布近似(直接近似)
・ 不適合品率の分布
・ 不適合数(不適合品数)の分布
ほかに対数変換による近似がある。
(3) 正規分布
連続型分布を表す。
@ 事例
・ 安定した工程で作られる製品の計量値の分布
A 規格化
Xが正規分布N(μ,σ2)に従う時、
は、平均0・標準偏差1の正規分布、すなわち標準正規分布N(0,12)に従う。
B 中心極限定理
n→∞の時、Xがどんな分布(二項分布・ポアソン分布など)であっても、
の分布は、標準正規分布N(0,12)に近似できる。