品質管理周辺分野
1. 品質管理周辺の活動
(1) リスクマネジメント
・ 定義
「リスクに関して、組織を指揮し管理する、調整された活動(JISより)」
リスク算定・リスク評価・リスク対応・リスクの受容・リスクコミュニケーションなどを含む。
すなわち、自然災害・人為的災害・経済事件などのリスクに対し、適切な対応(緊急時対策・復旧対策)を取ること。
・ 目的
リスクマネジメントによって、組織運営を安定化させ、リスク顕在化による影響を極小化し、社会的損失を最小限に抑える。
(2) プロジェクトマネジメント
・ 定義
「プロジェクトの目標を達成するために、プロジェクトの全側面を計画し、組織し、監視し、管理しおよび報告すること、並びにプロジェクトに参画する人々全員への動機づけを行うこと(JISより)」
・ プロジェクト
「開始日および終了日を持ち、調整され、管理された一連の活動からなり、時間、コスト及び資源の制約を含む特定の要求事項に適合する目標を達成するために実施される独自のプロセス(JISより)」
(3) 商品規格七つ道具(P7)
顧客に感動を与える商品を提供するための手法
@ インタビュー調査
・ グループインタビュー
グループ内コミュニケーションの相乗効果から新たな潜在的ニーズの仮説発見を期待する手法
・ 評価グリッド法
サンプル商品・デザイン・仮想イメージを個々の子役に比較評価してもらい、自身の言葉で表現してもらう手法
A アンケート調査
インタビュー調査(ニーズの発見)の後に行い、ニーズを検証する。
B ポジショニング分析
アンケート調査の結果を受けて、商品評価(因子分析)と商品空間の検討(重回帰分析)を行う。
商品空間マップ上で、既成の商品、理想の商品の位置を検討する。
C アイデア発想法
調査結果から得た方向性で、アイデアを大量生産する。
・ 焦点法:異なる対象からの連想によって、テーマにつなげる
・ アナロジー発想法:常識を否定し、アイデアにつなげる
・ チェックリスト発想法:チェックリストをヒントとしてアイデアを得る
・ シーズ発想法:自社シーズから、応用商品のアイデアを得る
D アイデア選択法
使えそうなアイデアへ絞り込む。
・ 重み付け評価法:ポジショニング分析のウェイトから評価する
・ 一対比較評価法(AHP):2つずつの比較評価
E コンジョイント分析
アイデアの要素と水準を定めて、直交表を使い、コンジョイントカードを作る。
カードで顧客に評価してもらい、結果を解析し、最適コンセプトを得る。
F 品質表
要求品質展開表と品質特性展開表から、品質表(マトリクス表)を作成し、要求と技術特性をリンクさせる。
2. 品質管理周辺の手法
(1) オペレーションズリサーチ(OR)・運営研究
「科学的方法及び用具を体系の運営方策に関する問題に適用して、方策の決定者に問題の解を提供する技術(JISより)」
多方面の専門家の協力によって、多面的な立場から、計量的に問題の解決を図る。
数理計画法・待ち行列など数学的手法やアルゴリズムによって、計画決定する。
・ 線形計画法・非線形計画法
・ 動的計画法:逐次的になされる意思決定の最適化
・ 待ち行列:客の流れや滞りを表す数学的模型
・ ミニマックス原理:最大の損失を、最小とする戦略を取ろうとするゲーム理論
・ DEA:意志決定主体の効率性を相対的に評価する
・ システム分析
・ AHP
(2) インダストリアルエンジニアリング(IR)・経営工学
「経営目標を定め、それを実現するために、環境との調和を図りながら、人・もの(5M)や、金・情報を最適に設計し、運用し、統制する工学的な技術・技法の体系(JISより)」
制御・情報処理など工学的手法によって、生産性の向上を図る。
・ 工程分析:図記号で調査分析
・ 稼働分析:作業者・機械設備の稼働率を求める
・ 時間研究:作業遂行時間の測定
・ 動作研究:最適な作業方法を求める
・ PTS法:作業を基本動作まで分解し、作業時間を求める
(3) ナレッジマネジメント
組織内の個人が有する知識を共有化し、有効活用することによって新しい知識の創造を目指すマネジメントの手法。
・ データマイニング
データベースなどに保存されている大量のデータに対して、データに内在する規則性、傾向やパターン、ルールなどの知識を効率よく発見するための手法。
データを抽出し、分析し、分類する。
・ テキストマイニング
データベースなどに蓄積されている文書データなどを分析し、経営の意思決定に有効な知識や情報を抽出するための手法。(⇔データマイニング)
(4) シミュレーション・模擬実験
「対象とする体系についての模型による実験(JISより)」