避雷器・遮断器
1. 避雷器
(1) 高圧・特別高圧電路の避雷器の施設
雷電圧による電気設備の損壊を防止する。
(2) 避雷器の施設が必要な箇所
@ 発電所・変電所の架空電線引込口・引出口
A 架空電線に接続する配電用変圧器の高圧側・特別高圧側
B 高圧架空電線から供給を受ける500kW以上の需要場所の引込口
C 特別高圧架空電線から供給を受ける需要場所の引込口
(3) 避雷器の省略
電線が短い場合
使用電圧60kV超の特別高圧電路において、常時接続される架空電線路が、回線数7以下の場合で5以上、8以上の場合で4以上のとき
(4) 避雷器の接地
原則、A種接地工事を施さなければならない。
※ 高圧架空電線路に施設する避雷器の接地抵抗値の緩和
B種接地極から1m以上離す場合、30Ω以下
B種接地と連接接地する場合、合成抵抗20Ω以下
@ 避雷器専用接地有りの場合 Ra:75Ω以下
A 避雷器専用接地無しの場合 Rb:65Ω以下
2. 過電流遮断器
(1) 過電流からの保護対策
電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線・機械器具を保護し、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。
(2) 過電流遮断器を施設してはならない箇所
接地工事の接地線
多線式電路の中性線(各極同時遮断するものは除く)
B種接地工事を施した低圧架空電線路の接地側電線
(3) 低圧電路の過電流遮断器
@ 低圧ヒューズ
定格電流の1.1倍の電流に耐える
定格30A以下の溶断特性:定格の1.6倍に対して60分以内、
定格の2倍に対して2分以内
A 配線用遮断器
定格電流の1倍の電流で自動的に動作しない
定格30A以下の遮断特性:定格の1.25倍に対して60分以内
定格の2倍に対して2分以内
(4) 高圧ヒューズ
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耐電流 |
定格の2倍の電流に対する溶断特性 |
包装 |
定格電流の1.3倍に耐える |
120分以下 |
非包装 |
定格電流の1.25倍に耐える |
2分以下 |
(5) 電動機の過負荷保護装置と組み合わせた過電流遮断器
@ 短絡保護専用遮断器
定格電流の1倍の電流で自動的に動作しない
整定電流は定格電流の13倍以下
A 短絡保護専用ヒューズ
定格電流の1.3倍の電流に耐える
溶断特性:定格の10倍の電流に対して20秒以下
3. 地絡遮断器
(1) 地絡に対する保護対策
電路には、地絡が生じた場合に、電線・機械器具の損傷・感電・火災の恐れがないよう、地絡遮断器を施設しなければならない(機械器具を乾燥した場所に施設する場合を除く)。
(2) 低圧の機械器具
使用電圧60V超で金属性外箱を有する機械器具を、人が容易に触れる恐れのある場所に施設する場合は、地絡遮断器を施設する。
省略できる場合
@ 発電所・変電所・開閉所
A 乾燥した場所
B 対地電圧150V以下の機械器具を水気のある場所以外に施設する場合
C 機械器具に施されたC種・D種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下の場合
D 二重絶縁構造の機械器具
E 絶縁物で被覆された機械器具
F 絶縁変圧器から300V以下の非接地電路を通じて機械器具に供給する場合
(3) 高圧・特別高圧電路
次の箇所には地絡遮断器を施設しなければならない。
@ 発電所・変電所の引出口
A 他から供給を受ける受電点
B 配電用変圧器の負荷側(単巻変圧器を除く)
(4) 特殊電路
次の箇所には地絡遮断器を施設しなければならない。
対地電圧150V超の住宅内低圧配線
フロアヒーティング・電熱温床
30V超のプール用水中照明灯・300V超のキャブタイヤケーブル
高圧水上電線・高圧移動電線・高圧接触電線
火薬庫の供給電路