調相設備

  

1. 電力用コンデンサ

系統電圧が低下する場合に投入して、系統に進相無効電力を供給し、電圧を上昇させる。

ž 電力損失が少ない。

ž 保守が簡単で騒音を伴わない。

ž 小負荷に対しても、分散して設置することが可能。

ž 短絡事故の時に、故障電流を供給しない。

ž 電圧調整が連続的では無くて、段階的。

 

※ 直列リアクトルの働き

ž 電力用コンデンサ投入時の、突入電流の制限。

ž 電力用コンデンサ開放時の、残留電荷による遮断器再点弧の防止。

ž 5高調波電流による電圧・電流ひずみの軽減。

5高調波以上の周波数に対して、合成リアクタンスを誘導性にする。

 

2. 分路リアクトル

系統電圧が上昇する場合に投入して、系統に遅相無効電力を供給し、電圧を低下させる。

ž 鉄心にエアギャップがあるので、騒音・振動が大きい。

ž 電圧調整が連続的では無くて、段階的。

 

3. 同期調相器

無負荷の同期電動機。無効電力を遅相から進相まで、連続的に変化させる。

界磁電流が大きいときは電力用コンデンサ、小さいときは分路リアクトルとして働く。

運転保守が面倒なので、現在では特殊な用途にしか使われない。

 

4. 静止型無効電力補償装置(SVC)

高速で無効電力を調整可能。従来、アーク炉負荷のフリッカ防止対策として使われてきた。

 

@ サイリスタ制御リアクトル方式(TCR)

リアクトルとコンデンサに流れる電流を光サイリスタの位相制御により変化させ、無効電力を遅相から進相まで、連続的かつ高速で変化させる。リアクトル電流がひずむ場合があるので、高調波が系統流出しないようにする対策が必要。

 

A サイリスタ開閉コンデンサ方式(TSC)

複数のコンデンサバンクを設置し、サイリスタ開閉器で高速スイッチする。

無効電力は段階的になる。

 

B 自励式インバータ方式(SVG)

インバータ出力電圧を調整し、無効電力を連続的に変化させる。高調波補償が可能。

 

 

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