遮断器
1. 遮断器の性能
遮断容量Ps と短絡電流Is
電流容量
遮断器で短絡電流を遮断した後、時間をおいて、元通りに、遮断器を電路に再投入する。
そのため、故障が持続的で、再投入時に短絡電流が流れても、電流容量が十分(電磁的・熱的耐量が十分)でなければならない。
遮断能力:過渡回復電圧の立ち上がりよりも早く、絶縁耐力を回復させること。
再発弧:遮断後、商用周波1/4サイクル未満の時点で、極間に再び電流が流れること。
再点弧:遮断後、商用周波1/4サイクル以上の時点で、極間に再び電流が流れること。
2. 遮断器の種類
@ ガス遮断器(GCB)
空気遮断器に代わって採用されるようになった。他力消弧方式。
消弧媒質に六フッ化硫黄(SF6)を使用している。無色・無臭・無害・安定・不燃性・安価。
絶縁耐力は空気の2〜3倍、消弧能力(アーク遮断特性)は空気の100倍以上。
大容量遮断が可能。
ガスは大気中に排出されないので、騒音が小さい。
油を使用しないので、火災の心配がない。
A 真空遮断器(VCB)
油遮断器に代わって採用されるようになった。
遮断時のアークは、真空中への拡散で消弧される。真空度は1Pa以下。
小型・軽量。
騒音が小さい。
油を使用しないので、火災の心配がない。
遮断能力が大きく、電流0を待たず強制遮断し、電流裁断現象による過電圧を生じやすい。
B 磁気遮断器(MBB)
遮断するアーク電流自身の磁界と電磁力を利用して、アークを消弧する。
吹き消しコイルに遮断電流を流す。
接点の損耗が少なく、多数回の遮断が可能。保守点検も簡単。
異常電圧の発生が少ない。
油を使用しないので、火災の心配がない。
C 空気遮断器(ABB)
1〜3MPaの空気を遮断部に吹き付けて、アークを消弧する。
現在では新たに採用されることは無い。
遮断時の騒音が大きい。
D 油遮断器(OCB)
絶縁油の中で接点を開閉し、アークによる油の加熱・分解によって消弧する。
最近はあまり採用されない。
火災の心配がある。
保守の必要がある。
※ 限流リアクトル
系統に接続し、遮断電流を小さくする。遮断器の遮断容量を小さくできる。