避雷器

  

1. 避雷器の機能

ž インパルス放電開始電圧(衝撃放電開始電圧)

避雷器の保護性能の1つ。端子間にインパルス電圧を印加し、電流が流れ始めるまでに端子間に現れる最大電圧。

 

ž 制限電圧(波高値)

避雷器の保護性能の1つ。放電中の避雷器の端子間電圧(制限電圧)が、機器の絶縁耐力よりも十分低い必要がある。

 

ž 続流の遮断

放電終了後、引き続き電力系統から供給されて避雷器を流れる、商用周波の電流(続流)を遮断する。また、放電から原状復帰までの一連の動作を「単位動作責務」という。

 

ž 漏れ電流

定格電圧が印加された状態で避雷器に流れる電流。抵抗成分と容量成分がある。

 

ž 定格電圧(実効値)

避雷器の定格電圧が、商用周波電圧より大きければ、続流を遮断することが可能となる。

なお、商用周波電圧は、一線地絡時には相電圧から線間電圧となり、通常より高くなる。

 

 

α:接地係数 β:裕度(115%) Um:最高許容電圧

 

@ 非有効接地系統(α =1)

 

A 有効接地系統(α =0.65~0.8)

 

※ 一線地絡時に、健全相の電圧が、常時の1.3倍以下になるように、中性点インピーダンスを設定した接地系統を有効接地系統と呼ぶ。

 

ž 接地抵抗の低減

接地抵抗値は十分低くする必要があり、その方式には通常の単独接地のほかに、連接接地、網状(メッシュ)接地がある。

 

ž 絶縁協調

避雷器によって保護される過電圧レベルと、機器の絶縁強度のレベルを釣り合うように設計すること。

 

 

 

2. 避雷器の種類

@  弁抵抗型避雷器

炭化ケイ素(SiC)を主成分とする直線抵抗素子を使用した避雷器。

炭化ケイ素自体が、直線的なV-I特性なので、直列ギャップを利用している。

 

A  ギャップレス避雷器

酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする非直線抵抗素子を使用した避雷器。

酸化亜鉛は常時使用電圧では電流がほとんど流れないので、直列ギャップを省略できる。

ž 小型軽量で、部品数が少なく、耐震性に優れる。

ž サージ処理能力が高い。

ž 放電遅れが無く、急峻波過電圧に対する保護効果に優れる。

ž 耐汚損特性に優れる。

ž 繰り返し動作に強く、信頼性に優れる。

なお、熱的安定性評価として、外面フラッシオーバ・熱暴走などを起こさないことを試験確認することが規定されている。

 

 

3.避雷装置の種類

@ 避雷器:回路の絶縁を過電圧から保護する

A 保護ギャップ:遮断器・断路器を雷サージから保護する

B サージアブソーバ:発電機・電動機を過電圧から保護する

C 架空地線:送配電線を雷から保護する

D アークホーン:がいしをフラッシオーバから保護する

 

 

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