風力発電

 

1. 風車の種類

@  揚力型風車

高い回転速度が得られる(風速の数倍〜10倍)。

最大出力係数 

A  抗力型風車

風速より高い回転速度は得られない。大きい回転力(トルク)が得られる。

最大出力係数 

 

B  水平軸型風車

風車の回転面が風の向きを向いている必要があるため、方向制御が必要。

C  垂直軸型風車

どの方向から風を受けても回転できる。

 

 

水平軸型

垂直軸型

揚力型

プロペラ型

ダリウス型・ジャイロミル型

抗力型

多翼型・セルウィング型

サボニウス型・クロスフロー型

 

2. 風力発電の運用

風況

風速の度数分布は、弱風側に偏ったワイブル分布とされる。

風車の立地条件は年間を通じて67m/sの場所が好ましい。

 

運転

(1) 03m/s :停止

(2) 3m/s:起動(カットイン風速)

(3) 3m/s〜定格風速:発電→風速の上昇に伴い、発電量も増加

(4) 定格風速〜25m/s:発電→出力を一定にするように運転

(5) 25m/s:停止(カットアウト風速:10分間平均風速で停止)

※ 瞬時カットアウト風速:瞬間最大風速が規定値を超えると停止

 

出力制御

風速が定格値を超えた時、発電機を過負荷にさせないように、風車の出力制御をおこなう。

@   ピッチ制御

ブレードのピッチ角を風速に合わせて変える。カットアウト風速以上になったら、ピッチ角を風向に平行にして待機状態とする。定格風速以上の発電や大電力発電に有利。

A   ストール制御

ピッチ角は固定で、風速が定格値以上になると、ブレード形状の空気力学的特性により、失速(ストール)現象を起こして出力が低下する。

B   アクティブストール制御

定格風速以下ではストール制御、定格風速以上でピッチ制御をおこなう。

 

発電機

@   かご型誘導発電機

ž  回転数は固定。

連係している電力系統の周波数で発電機の回転数が決まる(ACリンク方式)。

ž  系統に並列しないと発電できない。

励磁電流を系統から取る。系統並列時の突入電流が大きい。

ž  構造が簡単で安価。

ž  風速が変化すると電圧も変化する(有効電力・無効電力が変化する)ため、安定した発電量が確保しにくい。

力率改善コンデンサが必要になる。

ž  一般的な風力発電に使われる。

 

A   同期発電機

ž  可変速運転がおこなわれる。

風車のその風速における最大出力点で運転するために、VVVF装置で、風速に見合った、発電機の回転数に変える。

VVVF装置(コンバータ・インバータ)のはたらきとしては、発電機の磁束(∝電圧/周波数)を一定にして、回転数を変えることである。

電力系統への連係において、VVVF装置を介して周波数が変換される(DCリンク方式)。

ž  風速が変化しても、電圧変動は少ない(有効電力は変化するが無効電力は一定または0)ため、出力変動が小さく安定した発電量が確保できる。

ž  低い風速でも発電が可能。

ž  エネルギー効率が高い。

ž  大型風力発電に使われる。

 

3. 風車のエネルギー

風車のロータ軸出力(風車で得られる単位時間当たりのエネルギー)は回転面積(寸法の2乗)に比例し、風速の3乗に比例する。

:ロータ(風車羽根車)の出力係数=風車のパワーと風のパワーの比

  実際には1030%程度。

:空気の密度

:ロータの回転(受風)面積

:風の前方一様流速

 

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